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「あの日」から1年。 [記憶・記録]

(予約投稿です。)

 

一周忌は先週したんだ。

1年前と同じような、暑いくらいの良いお天気。

お父さんて、「晴れ男」だったっけ?

お墓でね、お線香あげる時。

その時だけ、とっても気持ちいい風が吹いてたの。

んで。

昨日は、お父さんの好きだった「一番搾り」買って、一人で会いに行った。

お父さんが吸ってたのと同じような、メンソールの煙草ふかしながら。

かたちにならない思いを心に彷徨わせながら、ぼーっとしてて。

ふと、気づいた。

「そういえば。お父さん、私が煙草吸ってるの、知らなかったよね?」

 

「おぉ、知らなかったぞー。」って。

苦笑いしながら、呆れたような口調で言う父の声が、風に乗って聞こえた気がした。

先週と同じ、とっても気持ちいい風が私を優しく一撫でしていった。


6月13日。

 

あの日。

父の最期の言葉は。

「気をつけて帰れよ。」だった。

 

最後に言葉を交わしたのは、私。

意識のある温かい手を握ったのも、私。

 

母と行った、最初で最後のお見舞いの日。

 

あの日。

たまたま、仕事が休みだった。

たまたま、前日に実家に電話した。

母が「明日はお父さんの所に行くよ」って。

「あ、そしたら私も行くよ。明日仕事休みだから。」って。


 

病室に入って、愕然とした。

何だよ、話と違うじゃん!

元気だって言ったじゃん!

2日前に、「ヒマだから、パソコン持ってきてくれ」って電話があったって!

昨夜も普通に電話で話したって!

・・・・・・・そんな事を思ったのは一瞬だったけど。

 

あとは、もう、それどころじゃなかったから。

四人部屋から個室に替えてもらって、荷物を運んで。

ベッドの上で少しでも楽な体勢になろうとする父に、肩を貸して、腕を貸して。

・・・・・・・・・何かね。

「(娘に肩貸してもらうなんて)情けねぇなぁ」って言ったの。

「そんなこと気にしてる場合かっ!」ってさ、言ったんだけど。

やっぱり、男親としては見せたくなかったんだね。

 

痛み止めが効いたのか、寝息をたて始めた父。

母が、ぽつりと「あんたが居てくれて良かった。」と呟いた。

うん。私で良かったと思うよ。

すぐ下の妹だったら、きっとパニくってる。

弟だったら、父が「自分の醜態なんぞ見せたくない」って拒んでた。

1番下の妹だったら、その時は大丈夫でも後が心配だった。

1番下の妹は、お葬式の時も一周忌の後も、部屋で一人で泣いてたから。

 


「この2日3日ということではありませんが」

先生が私の目を見て言った。

「覚悟はしておいていただきたい。」と。

でも、それからわずか5時間。

「お父さんが危篤なの!」

 

 

そして。

 


「あの日」から1年。

 

いまだにファザコンだよ(苦笑)

 


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